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生沼義朗歌集『関係について』

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生沼義朗さんの第二歌集『関係について』(北冬舎)の書評を「短歌往来」2012年11月号に寄稿。

〈批評性〉というキーワードで一冊を読み解いたもの。生沼ファンの皆様、機会がありましたらご覧ください。

詳しい感想は書評に譲りますが、書評で取り上げた歌の他に、惹かれた歌は次のようなもの。


地上にて有象無象のうごくさま神にあらねば二階より見つ
百日紅ゆらす微風の吹く午後はうしろに誰も立たないでくれ
似たような顔の並びし大部屋に大和民族おしなべて鬱
動詞よりつきし地名をかりそめに過ぎることありたとえば押上
夜半までネットに向かう、海底の線路をあゆむこころもちもて
シーチキンをホワイトソースに入れたれば素性分からぬ食感となる
クール・ビズと呼ばるるらしも収賄で逮捕されたるごとき格好
何処かで見た顔とも思う酔いのなかラーメン屋に見る顔なればこそ
ついてくる沢庵をむしろ食べるためカツ丼頼むこともありたり
人混みに名を呼ばれたり何処よりの声か判らずまずは振り向く




写真は横須賀中央の居酒屋のランチメニューのまぐろ丼。(前々回のネギトロ丼とは別のお店。)胡麻だれに漬けてあって、まろやかな味わい。750円。
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